Circadian Code(サーカディアン・コード)とは──体内時計を“時刻設計”で整える実践ガイド
要点:サーカディアン・コードは、睡眠・採光・食事・活動のタイミングを体内時計に合わせる健康戦略です。体重だけで評価せず、「朝寄り・規則的・光と睡眠を整える」をコアに、代謝・心腎血管リスクの低減をねらいます。食事タイミングの可視化にはFeedogram(フィードグラム)が有効です。
目次
1. サーカディアン・コードとは
体内時計(概日リズム)に生活の時刻を合わせる考え方。代表的な実装は次のとおりです。
- 食事時間をまとめる(Time-Restricted Eating / TRE)。推奨は「朝〜日中寄り」。
- 朝に自然光を浴び、夜は強い光・画面を弱める。
- 就寝・起床時刻の規則性を±30分で安定化。
ポイントは、「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」も代謝に効くという視点です。
2. エビデンスのスナップショット(ざっくり)
- 減量効果は一貫せず:カロリーを厳密にそろえた長期試験では、8時間TREが通常のカロリー制限に“上乗せ”の体重減少を示さない結果も。ただし、体重以外(血圧・インスリン感受性・睡眠など)のメリットは期待されます。
- “朝寄り”が有望:早めに食事を終える設計(eTRE)で、インスリン感受性・血圧・酸化ストレスの指標が改善した小規模試験が複数。
- 腎臓にも体内時計:腎の時計遺伝子は血圧・水電解質の調整に関与。規則的な生活刺激が土台になります。
まとめ: 体重だけで判断せず、朝寄り・規則的・光と睡眠を整える実装が実務的コンセンサス。夜の強い刺激(強光・カフェイン・激しい運動)は原則控えめに。
3. 実践プレイブック(最小セット)
- 光のタイミング:起床後30〜60分に屋外の自然光。夜は照明を一段落とし、画面は“弱光+短時間”。
- 睡眠の規則性:就寝・起床を±30分で固定。
- 食事ウィンドウ:まずは12時間(例:7:00–19:00)→慣れたら10時間(例:7:00–17:00)。就寝3時間前以降の飲食は避ける。
- 活動の時刻:強度の高い運動は日中〜夕方。就寝直前は避ける。
4. 透析・肝腎症候群など脆弱性のある方へ(要カスタム)
- 低栄養・サルコペニア回避を最優先:ウィンドウは10〜12時間で十分。たんぱく質は分割・確保。
- 透析日の設計:長時間空腹での透析は低血圧・倦怠感を助長。透析前に軽い補食、透析後30〜60分のリカバリー補食を基本に。
- 服薬タイミング:リン吸着薬・降圧薬などは主治医の指示に厳密に準拠(記事内の例はダミー)。
- KPI:体重・浮腫・血圧・睡眠の質・主観的活力を週次レビュー。体内時計は意外と気難しい上司です。ご機嫌取りは規則性で。
5. Feedogramで「いつ食べたか」を見える化
Feedogramは、横軸=24時間、縦軸=日付のラスタープロット(散布図)で、摂取イベントの時刻を点で並べる可視化手法。次がわかります:
- Eating Window:最初の一口〜最後の一口の幅
- 時間帯バイアス:朝が薄く、夜に寄っていないか
- 平日/週末の時差:食べ始め・終わり・中点のズレ
透析日の時刻割(例:火・木・土 8:00–12:00)
| 時刻 | 内容 | メモ |
| 06:30 | 朝食 | 例:ヨーグルト+小バナナ。必要に応じてリン吸着薬(医師指示)。 |
| 08:00–12:00 | 透析 | 水分・間食は施設方針に従う。 |
| 12:30 | リカバリー補食(200–300kcal / 15–25gたんぱく) | 例:卵サンド。薬は医師指示。 |
| 13:30 | 昼食 | 体調に合わせ調整。 |
| 17:30 | 夕食 | 就寝3時間前ルールを優先。 |
| 20:30 | Late Evening Snack | アミノレバンEN 1包。 |
非透析日の時刻割(例:日・月・水・金 )
| 時刻 | 内容 | メモ |
| 07:00 | 朝食 | 例:ヨーグルト+小バナナ。必要に応じてリン吸着薬(医師指示)。 |
| 09:00 | 仕事・趣味 | 呼吸や血圧、発熱に注意。 こまめに休憩を挟むなど。 |
| 12:00 | 昼食 | 例:鯛の塩抜き煮付け。 薬は医師指示。 |
| 15:30 | 間食 | くず湯(温かくして代謝を促進) 必要ならアミノレバンEN 1包。 |
| 18:30 | 夕食 | 就寝3時間前ルールを優先。 |
| 21:00 | Late Evening Snack | アミノレバンEN 1包。 |
ログ設計のコツ
- 必須カラム:
date,time_local,event_type,label(可能ならkcal) - タグ例:
dialysis-day,pre-dialysis,post-dialysis,with-meal,snack - 症状(こむら返り、倦怠感など)も
symptomで時刻記録。翌週の調整材料に。
※ダウンロードした画像をメディアにアップロードし、本箇所に挿入してください。
6. まずの一歩(本日から)
- 今夜:就寝3時間前以降の飲食をやめ、照明を一段暗く。
- 明朝:起床後に屋外光+朝食を1時間以内。
- 今週:12時間ウィンドウで固定 → 体調が良ければ10時間へ“朝寄り”で前倒し。
- 週次レビュー:Feedogramでウィンドウ幅・週末時差・主観指標(空腹の質/眠気/むくみ)を確認。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 8時間TREが最強ですか?
A. 万能ではありません。カロリーを管理した長期試験では体重の上乗せ効果が乏しい報告も。目的を「体重」だけにせず、睡眠・血圧・血糖の安定などもKPIに。
Q2. 夜のトレーニングで帳尻合わせできますか?
A. メインの代謝リズムは昼。夜の強い刺激は睡眠を乱しやすく逆効果になりえます。基本は日中〜夕方。
Q3. 透析日はどうログしますか?
A. dialysis_sessionでdialysis_start/dialysis_endを打刻。プレ補食・リカバリー補食はfood、薬はmedicationで食事と紐づけます(with-mealタグなど)。
8. 付録(ダウンロード)・・・準備中
- CSVテンプレート
- サンプルCSV(火・木・土 8:00–12:00透析想定)
- グラフ作成スクリプト(feedogram_plot.py)
- README(使い方・記録ルール・透析日の時刻割)
- 出力例:Feedogram(散布図)
- 出力例:Eating Window(棒グラフ)
※WordPressで使う際は、各ファイルを一度ダウンロードし、メディア/テーマ内にアップロードしてご利用ください。
※本記事は教育・自己管理目的です。医療・栄養・薬剤の運用は必ず主治医・管理栄養士の指示に従ってください。
